ビジネスローン審査のポイントチェック
融資する金融機関や貸金業者によって、審査にパスするかどうかの基準は当然異なりますが、基本的にチェックされる項目自体はそんなに変わりませんので、
一般論として事業資金融資の審査で何がチェックされるのかをまず確認してみましょう。
真っ先にチェックされるのが過去の収支です。
そのため1年間の収支が分かるものを提出します。
法人の場合は決算書、個人事業主の場合は確定申告書です。
ただし、決算や確定申告から時間が経っていて、次の決算まで間もない場合は最近の収支報告なども必要になる場合があります。当然ではありますが、利益が出ている会社ほど貸し倒れリスクが低いわけですから、
審査も通りやすくなります。赤字決算の場合、全く付き合いのない銀行へ初めて申し込む場合、審査に通るのは困難です。
ただし、過去何年も黒字業績で、たまたま前回が赤字決算だった場合と、連続赤字決算を出している場合とでは大きく違いますから、
何年も付き合いのあるメインバンク等であれば、1年位の赤字決算だったら融資可能もあります。
もちろんメインバンクなど普段取引している銀行や信用金庫からはすでに融資を受けていて、
もうそれ以上の融資は期待できないという状態でなければのことですが。初めての融資の申込で、赤字決算で銀行の審査に通る可能性はかなり低いです。
その場合は貸金業者のビジネスローンなどのノンバンの方が高いでしょう。
銀行で融資が受けられない事業者がノンバンクにとっては一番の顧客なので少々の赤字決算であれば、審査は通る可能性があります。
信用情報機関の情報のチェック
個人への融資でも調査される金銭に関する情報の調査です。
現在どれだけの借入があるか。
また極度型の場合はどれだけの枠を持っいるか。
返済が滞っていないか、過去に事故歴はないかなどの融資と返済に関する情報を調べることになります。
法人の場合は、法人の情報と、代表者の情報も調べられます。個人事業主は、個人の情報です。既に返済能力一杯の融資や、限度額をもっているのであれば、当然融資は厳しくなりますし、
過去に事故歴(延滞など)などある場合は、銀行の融資は難しいでしょう。
現在延滞している場合は当然、銀行のビジネスローンは確実にだめです。
ノンバンクのビジネスローンでも、審査に通るのは難しくなりますが、
その融資で借換や一本化できるような内容であれば審査に通る可能性もあります。
民間信用調査会社の情報のチェック
これは事業者の信用情報を集め集積し、その情報を売ることを業務としている民間調査会社の会社情報のチェックです。
よく利用されるのは帝国データバンク、東京商工リサーチなどです。
おそらく、これらの会社から、決算期に前後に、前年度の業績について問い合わせや訪問を受けたことがある方も結構いるのではないかと思います。
事業の景況や業績、取引先などその事業者の現在だけで過去や将来性などについての判断の材料となる情報を保持しそれを有料で提供しています。
対象は、大企業や法人だけだと思っている方もいるかもしれませんが、零細企業や個人事業主もなっている場合があります。
取引先が取引に際して調査会社に情報提供を依頼した場合は、調査されますので、どんに小さな事業者でも調査の対象になりえます。
税金の支払いに関するチェック
税金を滞納しているかどうかも融資審査の際のチェックにポイントになります。
税金を滞納している場合は、銀行のビジネスローン審査はまず通りません。
銀行は事業資金として投資して金利を儲けることが唯一の目的ですから、税金の支払いに充てられたのでは、事業によって収益が出ることはないからです。
ノンバンのの事業ローンの場合は、税金の滞納があっても、門前払いはしないと思われますが、やはり審査に通ることは厳しくなります。税金滞納の場合は、ファクタリングを利用して資金を調達したり、法人の場合は、
代表者が個人で借りて会社に貸し付けたりなどして、税金滞納を解消してから融資に申込みすべきです。
資産(流動資産)のチェック
融資を受けるのは現金が足りない事が原因なわけですが、現金は持っていないけれど、資産は持っているという事業者もいます。
流動資産(1年内に現金に換えられる資産)がどれだけあるかということも審査に関わる重要な評価基準となります。
ただし、貸借対照表上で、流動資産と負債の額を比べた時に、負債を上回る流動資産がなければ、返済能力のプラス評価には当然なりません。
借入・返済実績
これは、ポイント2であげた信用情報機関の情報をもとに、過去融資を受けて、完済しているかという実績の評価です。
ずっと無借金経営を続けてきたし業者が初めて融資を受けるよりも、過去に何度も融資を受けていて完済実績を作っているほど評価が高くなります。
この会社(事業主)は借りたお金しっかり返しているという事が評価につながるのです。
事業継続期間
あまり大きな比重ではありませんが、事業継続期間も多少審査のチェックポイントとなります。
長く続いている事業者であればもちろん評価は高くなりますし、まだ創業して間もない事業者の審査は厳しくなります。
銀行のビジネスローンでは、1~2年以上は最低でも事業の継続期間がないと申込条件すらクリアできないことが多いです。
創業前や、創業2年未満の場合は、創業資金の融資を行っている日本政策金融公庫や、ノンバンクの融資を利用すべきです。
ほとんどの銀行には創業資金の融資商品は見当たりません。
資格、特許、ノウハウ
その事業者がどれだけ独占的な事業をしているかというのも、将来の返済能力についての評価になります。
融資をしても、競合に勝てず、売り上げを伸ばせないとなれば、貸し倒れのリスクが高くなるわけです。
国家資格を元に営業している事業とか、特許を持った製品を作っているとか、
独自のノウハウでまねできない製品やサービスを行っているかなども審査ポイントとなります。
人物の信用度
下町ロケットが大人気なように、何かを託すとき、取引する時には重要なポイントとなりますし、
面談して融資をする銀行や信用金庫、政府系金融機関などでは、貸し付ける法人代表者や個人事業主の人物像もある程度評価します。
しかし、あくまで、貸付に値する事業かどうかは、数字的な返済能力が第一です。
とくにネットで申込して直ぐに審査してくれるビジネスローンでは、人物像なんて評価の対象とはしていません。
ですから、人物像が融資に影響することは今は殆どないといっていいでしょう。
ただし融資担当者が面談して融資するがどうかの状況で、融資可否のギリギリのところにあった場合は人物像も影響はするでしょう。
審査についてのまとめ
融資の審査について評価されるチェックポイントは、数値化され、その総合得点で、
融資するかどうかの基準点を上回るかどうかというものになります。それぞれの配点は大きく異なります。
もちろん一番配点が大きいのは決算や信用情報です。最近の個人向けのカードローンなどでは、信用情報の得点だけで審査が決まってしまいます。
以下にスピーディーに審査するかが重要ですから、人物など見て判断はしませんし、ほとんどネットだけで申込できる時代です。
ビジネスローンの場合は、面談などもする場合も場合によってはあります。
電話で相談して金額を下げたり、金利を調整したりなどして融通をきかせてくれることもあります。
ただし、基本的には、ネットで申込できてスピーディー判断し、直ぐに融資をするという時代になっていますので、人物像や印象で審査にプラスになるということは殆どありません。
あまりに甘い条件には注意
赤字決算でも、税金滞納でも、返済能力があると判断できれば、審査に通るノンバンクのビジネスローンは実際にあります。
ただし、中には、とにかく何でも貸して、搾り取るだけ搾り取る闇金もたくさんあります。
特にネットでお金を貸します、というだけで、個人情報を登録してしまうと、借りるかどうかも決めないうちに、
強引に貸し付ける押し貸しなども存在しますから、申込だけ先にしておこうなんてことはしてはいけません。名前やHPだけでは判断できませんから、くれぐれも注意してください。
当サイトのトップページで紹介しているような、法を厳守し、実績もあるところに申込するようにしてください。